[レディース なでしこ2部入替戦予選] 第3戦 vsFC今治

2023シーズンからのなでしこ2部昇格に挑戦するレノファレディースは、入替戦予選大会を1試合残し残念ながら敗退は確定してしまいました。
それでもこの大会を通じて時間がない中でも見せてくれた成長を確かなものにし次なる挑戦につなげるべく、グループリーグ最後の1試合に挑みます。相手は山口にとっては海を挟んでお隣、FC今治レディース。

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[レディース なでしこ2部入替戦予選] 第2戦 vsディオッサ出雲

2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦予選大会 Bグループ 第3節 | なでしこリーグ

この日は台風が東海地方に非常に近づいており、強風はないもののかなりの大雨。3日の日程で3日とも雨とは、雨男は一体誰なんだか。選手たちとしても、3連戦水たまりの人工芝はきつかったことでしょう。

前の試合で距離感などを大幅に改善しソリッドな戦いを見せてくれたレノファレディースですが、この試合ではその意識がさらに高まったように感じました。試合の入りはこの3連戦で一番勝ちもあるかもしれないと感じさせる素晴らしい展開。

そんな中でやってくれたのは、前の試合ですでにその能力に目を奪われていた10伊藤選手と16原田選手。
伊藤選手の中盤でのスルスルっとした持ち運びから相手を置き去りにするスルーパスを受けた原田選手はゴールに一直線。GKも交わして流し込み、この大会初の得点にして先制点を奪いとってくれました。やはり選手の笑顔はとても良いものです。

 

この試合では全体的に球際がとても強くなっているように感じました。この大会初戦では寄せの距離感が甘く、それが2試合目で大きく改善され、3試合目ではさらにそこで球際の戦いが強くなったように見えます。相手チームとの力関係による面ももちろんあるでしょうが、大会の中でどんどん良くなっていく様子を見るのは本当に楽しいものでした。
また、25山本芽衣選手の受けたイエローカードは自陣左サイドをぶち抜かれてピンチになりそうな場面をギリギリペナ外で止めたことによるSPAでした。そのような戦術的な好判断ができていることもこの試合の見応えにつながったように感じています。


 

そんな充実した戦いの中ですが、前半中にFKを合わされて1 – 1の同点に追いつかれます。
その後、後半の遅い時間は押し込まれる時間が長いながらも耐え続け、ピンチもあればカウンターのチャンスもあるという状況でどちらに転ぶかわからない試合展開となりましたが、最終的には70分で決着はつかず、PK戦に挑むことになります。

この試合では正GKの1.大宮司選手ではなく山口生まれ育ち、本来はフィールドプレーヤーの38.永野選手がGKとして出場していました。怪我明けだそうで、FPとしては不安があるということでしょうか。この試合では引き分けが濃厚になった段階でPK戦を見込んで最終盤に大宮司選手を投入、戦術的理由でGKが交代するという珍しいシーンも見ることができました。

 

実は前回この御殿場でレノファレディースが試合をした2018年のチャレンジリーグ参入戦でも、2連敗で迎えた3試合目には引き分けからのPK戦を戦っています。その時は当時のレノファレディースの守護神渡部豊子選手のスーパーセーブ連発により最後の最後に勝利した思い出が今も残っています。
ちなみにそんなGK渡部豊子選手は現在はディオッサ出雲に在籍し、この大会の2試合目でレノファレディースの前に立ちはだかっていました。そんな再会もあるのがこのような全国規模の大会の魅力でもありますね。

【祝・2020再始動】レノファレディース 思いをつなぐ

 

PK戦は残酷でどうなのと思う一方、1本1本に凝縮された一喜一憂の表情を見るのがとても好きでもあります。1本決めるごとに、男子ではあまり見られないようなベンチと選手との一体感が爆発する様子はやはり見ていてこちらも笑顔になりますね。

そんなPK戦はとてもヒリヒリする展開となりました。FC今治は1本も外すことなく決めてくる中、レノファレディースは1本に泣くことになってしまいました。

 

前日の試合では少し納得のいかない面も残った敗戦ということもあり涙の挨拶をしてくれた選手たちですが、この試合では悔しいそうな表情を残しつつときおりやりきったような表情も見せながら我々サポーターへの報告をしてくれました。

 


 

グループリーグの4チーム中上位2チームに入ることを目指した中、3試合で勝点1という結果に終わった今大会。内容面を見ても上位2チームとの力の差はやはり大きく感じ、まずはそこに追いつくチーム力をつけることがレノファレディースが今後上に行くためのベンチマークとなっていくことでしょう。

一方でこの大会の中でも、3試合を通じて最初と最後が同じチームとは思えないほどの成長を見せてくれました。特に相手への寄せ・味方との距離感・球際そして個の能力の発揮は試合を追うごとに明らかによくなっていて、1試合1試合だけではなくこの大会全体として観戦を楽しませていただきました。
上位2チームとの間で感じた差には技術面やフィジカル面がありますが、一方でプレーに対する意識や基準の面もまた重要なファクターで、この大会ではまさにそれが試合を通じて高まったのだろうと感じています。できないことができるようになったわけでは多分ありません。もともとこのぐらいのことはできる選手たちだったはず。今大会で対戦した相手のクオリティをいつも想定し、自らのプレーの基準として今大会のものをベースにしてこれから戦っていくことさえできれば、それに必要な技術・フィジカルそして新たな選手がついてきてチーム力が上がっていくのではないかと期待しています。

 

そもそもそんなふうにチームの成長への期待を語れるようになったのも、あの辛く苦しい(苦しかったであろう)レディーストップチーム活動休止の時期をつないでくれた並木選手を始め、レノファに帰ってきてくれた選手や新たに加わってくれた選手、そして選手たちからとても信頼され一体感のあるチームを作っている赤嶺監督のおかげでもあります。

 

選手の皆さんは遠い静岡まで応援にきたサポーターにとても感謝してくださっていますが、感謝したいのは僕たちの方でもあります。

 

というわけで、ぼく個人としては何年かぶりのレノファレディースの観戦となりました。
J2のトップチームはまさにこの日に群馬での歴史的な大勝利を挙げているわけですが、そんな関東レノサポにとっての貴重な関東アウェイを差し置いて御殿場でレディースの試合を3日間連続で見に行く理由は何でしょうか。
なでしこ2部参入がレノファファミリーにとって大きな挑戦であること以外では、女子サッカーの大きな魅力でもあるあのほとばしるむき出しの感情をまた生でみたい気持ちが強かったからかもしれません。
男子でも高校サッカーで見られる感情の発露にも近いものがあるでしょうが、女子サッカーでは嬉・悲だけではなく楽しんでいる様子もより溢れ出しているように感じており、まるで自分たちが過去に置き去りにした青春を見返しているような気持ちになります。

この写真とか、本当に愛くるしくてしょうがなくて個人的にとてもお気に入りのカットです。こういうのがぼくにとっては女子サッカーの大きな魅力の一つです。

サッカーを見て感情移入したい、自分のサッカー熱を高めたいと思っている人にとっては、自分としては高校サッカーと並んで女子サッカーの観戦を本当にお勧めしています。

 

夜の徳地の試合など、関東レノサポとしては普段のレノファレディースのリーグ戦の観戦がなかなか叶いません。いろいろな調整事項があるので難しいとは思いますが、レノファU-18ともども、J2のトップチームの日程とうまいこと調整された見に行きやすい日程・会場で試合が開催されることを願いたいものです。
ひとまずはまた来年もレノファレディースがこの御殿場で挑戦するチャンスを掴み取ってくれることを願って、爆念での応援をこれからも続けていきたいと思います。

 

 


 

ここからはすべて写真のみです。
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