[クラ選 vs大宮] 歴史的1勝

コロナ禍で全国的な大会の数も絞られているなか、レノファU-18は2019年のJユースカップ以来の全国規模の大会となる2022年の第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)に参戦しました。強豪ひしめく…いや強豪しかいないこの歴史ある大会におけるレノファU-18の戦いぶりは、灼熱の群馬の気候を超える熱いものとなりました。

関東在住ながらU-18の動向を気にするサポーターにとり、中国地方からわずか2チーム(うち広島ユースは自動で出場)という限られた枠を勝ち抜いて全国大会にたどり着いてくれたレノファU-18を見られるのは本当に久しぶりの機会です。彼らを現地で応援できる喜びを感じながら、グループステージ(予選リーグ)3試合を観戦しました。

このブログは、初戦となる大宮U-18との試合の所感と写真のまとめです。残り2試合についてもまとめています。

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なお、選手・保護者・チーム関係者の皆様はこれらの写真をお断りなくご自由にお使いいただいて結構です。必要であれば元データ(クレジットなし・高解像度)の提供も応相談です。


まずはやや複雑なクラブユース選手権大会の仕組みの概要です。

クラブユース選手権は、Jユースその他街クラブのU-18チームが参加し、中国地方2、関東地方11、など地域ごとに決められた全国大会出場枠を各地域予選で争います。地域予選の方式はまちまちで、純粋なトーナメント(北信越)、プレミア勢が自動で1枠抑え残り枠をトーナメントなどで争う地域(九州・中国)などがあります。レノファU-18は6月に中国地方予選の決勝ラウンドを見事全勝で制しました。

全国大会では、各地方予選を勝ち抜いた32の強豪がいわゆるセントラル開催方式で前橋に集まります。ちなみに震災前まで主会場は福島のJヴィレッジでしたが、将来また戻るのでしょうか。気候的には福島のメリットは大きいですね。
32チームは8グループに分けられ4チーム総当たりのグループステージを戦い、上位2チームがノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進出します。グループステージは35分ハーフながら4日で3試合をこなす過酷な戦いです。
レノファU-18の属するDグループの他チームは普段のリーグ戦(高円宮杯U-18リーグ)においていずれも1〜2カテゴリ上という圧倒的に格上の存在です。それはこのグループに限った話ではなく、監督も「我々は間違いなく32チーム中32番目である」と断言するほどですし、実際そう言わざるを得ないでしょう。レノファU-18が前回出場した際は勝点1もとれず全敗で去っています。

下馬評は冷静に理解しつつ、自分自身は2019年の茨城国体において河野孝汰擁する山口県勢が優勝候補の一角とも目された愛知県や大阪府を次々と破る快進撃で3位に食い込んだのを現地で見た実体験から、「高校年代はこういうことがある」という期待感もまた抱いていました。

茨城国体 少年男子サッカー3位決定戦 山口県vs香川県

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レノファ山口のクラブとしても、壮行会に加えてユースのための協賛の募集、SNS、YouTube、ゴーレノでの発信ノなど、正直これまではリソースの問題もあり手が回らない感が否めなかったかんじとは少し違う、覚悟を感じるようなバックアップ体制をとって全国大会に挑んでくれました。
レノファ山口FC U-18 全国大会出場におけるご協賛のお願い | レノファ山口FC


 

そんなグループステージ初戦の相手は、高円宮杯U-18プレミアEASTで戦う強豪中の強豪、大宮U-18。
大宮アルディージャ vs レノファ山口FC 試合情報|第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会|JFA.jp

会場となった玉村町北部公園サッカー場は天然芝のピッチですが、ゴールキーパー周辺の芝は傷んでいるというより剥げまくっており土のグラウンドと対して変わらないか、何ならまだらの芝は純粋な土より難しいかも。
我々サポーターはピッチサイドには入ることができず、(いわゆる)バックスタンド側のフェンスとネット越しの観戦となりました。ピッチ横に木も植えてあり、角度によってはその影でほとんど見えないという、カメラを構えている人間にとってはなかなか厳しいコンディション。
一方選手にとっては、朝の試合にも関わらず公式記録での気温が37度超えという猛暑が襲いかかります。

 

そんな試合に挑んだメンバーはこちら。
今年のレノファU-18の試合を見る初めての機会であったため、顔と名前がほとんど一致しないままでした。今後のおさらいのために、レノファU-18公式サイトの写真を参照させていただき、メンバー表にまとめておきます。
https://www.renofa.com/u-18/

スタメン サブ
GK 1. 吉本 空雅(キャプテン)
3年生(レノファU-15)
185cm/81kg
GK 20. 浦川 友希
3年生(レノファU-15)
177cm/72kg
DF 2. 角 来夢
3年生(サンフレくにびき)
163cm/60kg
GK 35. 平松 琉弥
1年生(FCグローバル)
174cm/60kg
DF 3. 隅野 遥喜
3年生(レノファU-15)
178cm/67kg
DF 13. 竹澤 陽太
2年生(ウイングスU-15)
184cm/78kg
DF 5. 佐々木 優吏
3年生(プルミエール徳島)
174cm/68kg
DF 22. 鈴木 陽
1年生(クマガヤSC)
165cm/60kg
DF 6. 藤井 翔大
3年生(バイエルンツネイシ)
168cm/63kg
DF 28. 下村 翔
中学3年(レノファU-15在籍中)
167cm/52kg
MF 4. 足立 快斗
3年生(サンフレくにびき)
173cm/64kg
MF 23. 岡田 慎平
1年生(クレフィオ山口)
172cm/60kg
MF 10. 原田 幹太
3年生(レノファU-15)
168cm/58kg
FW 8. 石﨑 諒
3年生(レノファU-15)
178cm/65kg
MF 24. 井平 幸輝
1年生(クレフィオ山口)
170cm/58kg
FW 18. 大宮 健希
2年生(ヴィッセル伊丹U-15)
185cm/72kg
FW 7. 新澤 大知
3年生(ウイングスU-15)
173cm/65kg
FW 29. 山本 龍之介
中学3年(レノファU-15在籍中)
170cm/52kg
FW 9. 上村 音生
3年生(セイザンU-15)
168cm/65kg
     
FW 11. 末永 透瑛
2年生(レノファU-15)
173cm/65kg
     

 

 

試合結果は2-0の勝利。
完勝にも見えるスコアですが、大宮U-18のシュートがバー・ポストに直撃し救われるシーンが3回ほどあるなど、決して簡単な試合では全くありませんでした。
そんな中レノファU-18は9上村くん・11末永くんを中心としたカウンター時の縦への突破の鋭さが際立っており、先制シーンもそのような抜け出しから角度のない技ありシュートを決めきった鮮やかな得点でした。両サイド(そして二列目以降、新澤くんなど)もものすごい突破力があったため、相手にとっては非常に怖かったでしょう。

 

また、ショートカウンターの起点に度々なったのは中盤周辺でのボール奪取でした。概ねボールを握ってくる相手に対してしっかりとボールを奪って、そこから鋭いカウンターが発動できていたので、これもまた相手にとっては嫌だったと思います。

 

この試合でとにかく目についたのは、キャプテンも務めるGK吉本くんの圧倒的な声出し。声量もさることながら、常に具体的で明確に動けるような内容の指示を出していたのが非常に印象的でした。後で知ったのですが本人は自分の長所をコーチングだと言っているそうで、非常に納得です。

 

プレミア勢として、2カテゴリ下の県リーグのレノファに負けるわけにはいかない大宮は終盤にはかなり押し込んでいましたが、そんな中、カウンターに対してサボらずに走ることで相手GKの処理ミスを誘い追加点を奪うという理想的な展開に持ち込んだレノファ。

 

最終盤にはさらに押し込まれますが、GK吉本くんの横っ飛びセーブとポストに救われたシーンで最後まで枠を割らせることはなく、2−0で逃げ切ることができました。

 

1試合目が1番強い相手ってのはキツいな……と思っていた試合に勝ったことで、これはもしかして行けるのでは?という雰囲気にサポーターもなり、「あと1勝すれば通過は確定だよね」という会話まで飛び出していました。
まだ1試合目、そしてバーやポストに何度も救われた内容からするとそんな話をするにはまだ早いかなという思いもありましたが、結果が一番の全国大会においてこの1勝は選手たちにとっては大変な自信になったに違いないでしょう。
この次の京都戦では、その自信と成長を証明するような素晴らしい試合をしてくれることになります。

 

ここからはすべて写真のみです。
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