レノファ山口レディース なでしこへの道のり第2章 〜入替戦予選2023〜

女子サッカーの魅力は何か?
ぼくの考えでは、それは弾けんばかりの感情とひたむきなプレー、選手同士だけでなくサポーターも含めて兄弟姉妹のような距離感の近さ、それらが織りなす他の何よりも感情移入できる青春の空間がピッチ一面に広がっていることです。見に行かなければわからない、しかし見に行けばわかる。これを知ってる人は勝敗やプレーの質を超えたところにある本質の一端を知っている……そんな思いでレノファ山口レディースについての発信をしています。

そして2023も笑顔あり涙ありの季節がやってきました。関東在住のぼくにとって数少ないレノファ山口レディースの観戦機会は、初秋の風物詩、毎年楽しみにしているなでしこ2部参入戦予選です。これは、現在戦う中国女子サッカーリーグ(最高峰WEリーグから数えて4部相当、WEリーグ→なでしこ1部→なでしこ2部→各地域リーグ)からなでしこ2部への参入を賭けて同様に各地域から集まったチームと戦う大会です。かつてチャレンジリーグと呼ばれていた全国リーグの登竜門が(WEリーグ創設に伴い)なでしこ2部に変わって以降、レノファ山口レディースとしては昨年に続き2回目の参加となります。

2023年9月21日から3日間で3試合(結果によってはさらに翌日もう1試合)の過酷な戦いに挑むレノファ山口レディースに、昨年に続いて全試合に密着しました。こちらは昨年の観戦記(第3試合)

[レディース なでしこ2部入替戦予選] 第3戦 vsFC今治

 

そもそもなでしこ2部への参入はどのようなレギュレーションなのか?「入れ替え戦予選」とは何なのか?なんでまだ終わっていない中国リーグの中で、そして決して上位とは言えないレノファが出られるのか?他にどのようなチームが参加しているのか?
このあたりはまずは公式の詳細情報から。
2023プレナスなでしこリーグ2部入替戦予選大会詳細決定のお知らせ | ニュース | 日本女子サッカーリーグ オフィシャルサイト

また、こちらのブログにてとてもわかりやすくまとめられています。
ディオッサ出雲FC なでしこリーグ昇格条件【2023年】 – JFL・地域リーグを楽しむブログ

 

昨年に続いての出場となったレノファ山口レディースですが、2018年オフから始まったチーム存続の危機からここ数年で見事チームを再建し、今季は社会人選手(大人の選手)の人数もさらに増えました。

なでしこ2部の来季からのチーム数拡大により今年は昇格のチャンスが大きく、またチームとしても明確になでしこ参入を掲げて戦うレノファ山口レディースへの期待も高まる中……でしたが、終わってみると今大会はグループリーグ3試合を全敗。これまで同大会に参加してきた中で最も厳しい結果となりました。とくに昨年同舞台で対戦したディオッサ出雲・FC今治との対戦結果が昨年よりさらに厳しいものであったことは、決してレノファレディースの力が落ちたとは思えないのですが、女子サッカーが徐々に発展するなかでピッチ内外で少し取り残されているような印象を残すことになりました。

入替戦予選大会Aグループ 試合結果
2023プレナスなでしこリーグ2部 入替戦予選大会最終順位確定のお知らせ | ニュース | 日本女子サッカーリーグ オフィシャルサイト

 

赤嶺監督だけでなく選手たちも今大会の厳しい結果をうけて辛い中だったと思いますが、すぐに今の気持ちや未来への決意を積極的に発信してくれています。これほど多くの選手たちが熱く発信してくれるというのは今まであまり記憶にありません。
大賀選手大宮司選手福本選手永野選手浅田選手津永選手山本選手、そして並木選手のTwitterなど)

 

選手たちの思いは試合会場でも痛いほど伝わってきていましたし、決意新たにこれからも戦ってくれるであろう選手やスタッフたちにこれからも期待をしています。まずはまだ日程の残っている2023年の中国リーグの戦いを一戦一戦戦い、そして来季の戦いへ。

その一方で、レノファ山口というクラブにとってレディースチームは何であるのか。その目標・目的は何であるのか。なでしこリーグ参入を目指すのはなぜなのか。現場はともかくクラブのスタンスとして「やる以上は目指す」でいいのか。なでしこを目指すのであればそれをどのように達成しようとしているのか。そのための今の現実をどう認識・分析していて、どのような点で成長・サポートが必要なのか。正直に言ってレノファ山口がレディースチームについて描く絵があまりよく見えないことに少しモヤモヤがあります。それが結局レディース創設から続く運営の中途半端さ、現場への投げやり感に繋がっているように感じるためです。
サポーターの究極のクラブ愛としてはまずはそこにチームが存続し続けてくれたらというのが偽らざる思いですが、それさえ2018年オフに失いかけた歴史がある以上は、もう少し確固たるものが見えてほしいものです。そして我々サポーターのレノファレディースに対する関わり方にもまだまだ成長の余地が多くあります。ぼく自身、次のレディースの試合がいつ何の大会でどこと対戦するのかさえまともに把握できてません。クラブ・選手・サポーターはもともと一蓮托生の存在なので、二人三脚でこれからもっともっと発展していけたらと思います。

 

最後に、今大会の遠征で最大の反省は、毎試合キックオフのギリギリに到着する予定で足を確保してしまい、試合開始前の選手たちの表情を見ることが全くできなかったことです………車はもう少し早めに借りるようにしましょう。

 

 

ちなみに今大会の会場は福島のJヴィレッジ。折しも福島第一原発からの処理水放出ということで地元の水産業にダメージがあるとのことだったので、「福島のお魚を食べる」というミッションも自らの課しての旅でした。
 

 

終わりに、今大会3試合で撮影したレノファレディースの選手たちの写真です。

第1戦 FC今治レディース戦(0-2)

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第2戦 ディオッサ出雲戦(1-3)

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第3戦 南葛SCウィングス戦(0-1)

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