[クラ選 vs京都] 自信と成長の糧

久しぶりの全国大会としてクラブユース選手権大会を戦うレノファU-18。グループステージ第1戦で強豪・大宮U-18を下し、第2戦目の相手はリーグ戦において昨年までこの年代最高峰のプレミアWESTで戦っていたこれまた強豪・京都サンガU-18との対戦です。この試合も写真を撮りに行ったので、そのまとめと雑感です。

他の2試合についても写真と雑感をまとめています。

[クラ選 vs大宮] 歴史的1勝

[クラ選 vs新潟] 真の強いチームになるために

選手・保護者・チーム関係者の皆様はこれらの写真をお断りなくご自由にお使いいただいて結構です。必要であれば元データ(クレジットなし・高解像度)も提供も応相談です。

 

今回の会場はNTT図南スーパーグラウンド。
前日の大宮戦の会場とは異なり、このグラウンドにはごく簡易的かつあまりきれいではないながら屋根付きの観覧席があり、またピッチとの間にはネットがありません。そして観覧席周囲は木陰になっており、撮影環境としては極めて臨場感のある最高の会場でした。ただし、お手洗いは仮設ですw

芝のコンディションはかなり良好でした。ゴールキーパーの周辺の芝荒れもそれほどなく、また全体的によく刈り揃えてあり、おそらく今回ぼくの観戦したグループステージ3試合ではここがベストピッチだったと思います。

京都サンガF.C. vs レノファ山口FC 試合情報|第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会|JFA.jp
レノファU-18のメンバーは前日をベースに、中盤より前を少し変えて臨みます。今回もレノファ公式の写真を引用しメンバー表をまとめます。
https://www.renofa.com/u-18/

スタメン サブ
GK 1. 吉本 空雅(キャプテン)
3年生(レノファU-15)
185cm/81kg
GK 20. 浦川 友希
3年生(レノファU-15)
177cm/72kg
DF 2. 角 来夢
3年生(サンフレくにびき)
163cm/60kg
GK 35. 平松 琉弥
1年生(FCグローバル)
174cm/60kg
DF 3. 隅野 遥喜
3年生(レノファU-15)
178cm/67kg
DF 13. 竹澤 陽太
2年生(ウイングスU-15)
184cm/78kg
DF 5. 佐々木 優吏
3年生(プルミエール徳島)
174cm/68kg
DF 22. 鈴木 陽
1年生(クマガヤSC)
165cm/60kg
DF 6. 藤井 翔大
3年生(バイエルンツネイシ)
168cm/63kg
DF 28. 下村 翔
中学3年(レノファU-15在籍中)
167cm/52kg
MF 10. 原田 幹太
3年生(レノファU-15)
168cm/58kg
MF 4. 足立 快斗
3年生(サンフレくにびき)
173cm/64kg
MF 23. 岡田 慎平
1年生(クレフィオ山口)
172cm/60kg
FW 24. 井平 幸輝
1年生(クレフィオ山口)
170cm/58kg
FW 7. 新澤 大知
3年生(ウイングスU-15)
173cm/65kg
FW 18. 大宮 健希
2年生(ヴィッセル伊丹U-15)
185cm/72kg
FW 8. 石﨑 諒
3年生(レノファU-15)
178cm/65kg
FW 29. 山本 龍之介
中学3年(レノファU-15在籍中)
170cm/52kg
FW 9. 上村 音生
3年生(セイザンU-15)
168cm/65kg
     
FW 11. 末永 透瑛
2年生(レノファU-15)
173cm/65kg
     

 

試合内容以外でまず特筆すべき点はグループステージで唯一レノファU-18がオレンジユニで戦えたことです。緑の芝や青い空には、この濃いオレンジが本当によく映えます。今回はDグループのチーム構成上しかたありませんでしたが、やはり1試合でも多くオレンジ色を着て戦わせてあげたいものです。

 

試合の結果は、7. 新澤くんのスーパーな飛び出しとシュート技術、そしてレノファらしい厚みのある攻撃から2点を先行する完璧と言ってよい展開を作るも、ギアを上げた京都の本気の攻撃に2失点し引き分け。
失点シーンは、自陣深くで必要のないアフター気味のファウルで与えたフリーキックからの失点、またクリアしきれない少し中途半端なこぼれ球から技ありシュートを沈められての失点と、いずれもほんのちょっとしたところの甘さからという印象がありました。

 

全体的には、大宮戦ではカウンターからチャンスを作っていたように感じる中、この京都戦はかなり主体的な攻撃を繰り出せていた印象です。特に11.末永くんなどが絡んだ中盤〜前の流動性の高さで相手守備陣を突破していくシーンが見られました。そして最終ラインも含めてロングボールやサイドチェンジは効果的に出ていたと感じます。最前線では大宮戦に引き続き複数の選手による個の縦に速い突破力がいかんなく発揮されており、京都守備陣をかなり脅かしていました。中盤でのボール奪取もかなり多く見られていて脅威だったでしょう。
このため、結果こそ追いつかれての引き分けですが、試合内容としてはこの京都戦のほうが見応えがさらにあったように感じていました。

守備については、まず相手の京都U-18の左サイドの2人(とくにキャプテン平賀くん)の突破力が凄まじく、試合の入りはレノファの右サイドは何度かぶち抜かれていたシーンがあったように思います。彼らは京都サンガのトップチームに二種登録されているとのことで、納得しました。

 

一方突破力と言えば負けていないのがレノファU-18。9.上村くんは右サイドをスピードがありながらタッチも細かいドリブルで突破してしまい、最後はループシュートを放ってみせるようなシーンもありました。惜しくもこれはポストからわずかに外れてしまい、悔しそう。このシュートの瞬間は観覧席の僕たちも全員、「入った!!!」というような反応でした。

 

後半の先制点となった7. 新澤くんはピッチのど真ん中を一体何人の相手DF陣をぶち抜いていったでしょうか。最後はGKを見てファーにしっかり流し込むシュート技術も圧巻です。

 

 

レノファの2得点目は、右サイドの2.角くんからのアーリー気味の高精度クロスに対してファーに詰めた7.新澤くんが頭で叩きつけて決めきりました。このクロスでこの場所に飛び込むというのはレノファのトップチームでも霜田時代に形として持っていたもので、ものすごく狙い通りの美しい得点でした。

 

そのアシストを決めた2.角くんは右SBとして京都の強力左サイドと対峙する中、裏のカバーに奔走し大きくクリアするシーンが非常に多くありました。攻守に献身的に絡んでいたことでとても印象的です。

 

献身的と言えば、最後に投入された中3(レノファU-15所属)の山本くんは最前線に入り、相手のGKまで徹底的にプレスに行く様子が印象的でした。後ろから「行け!!」と声がかかった瞬間に猛然と詰めていく様子は爽快でした。今後の進路は存じ上げませんが、もしレノファU-18に昇格しチームにもっと馴染んでくると、守備のスイッチ役を果たしてくれるようになるでしょう。

 

また、普段はボランチを努めているそうですがこの3試合ではCBを努めたDF佐々木くんがボールに絡む回数が非常に多く、とても目に付きました。体格的な不利にも臆せずCBの役割としてハイボールの競り合いをサボらないところ、前に出て強めに行くところは個人的にかなり魅力的に感じていて、一方でサイドチェンジやロングボールの起点になっていた印象が強くあります。普段はボランチだというのは後で聞いたのですが、妙に納得したのをとても覚えています。

 

試合後には、2点をリードしながら追いつかれたDF陣がかなりの時間、青空指導を受けていたのが印象的でした。失点シーンの原因はチーム全体の課題かなという印象ですが、そんなピンチを一人で救えるDFに成長していってくれることもまた彼らに期待しています。

 

もう一つ印象的だったのは、7.新澤くんと審判のなごやかな様子でした。
この試合は、この年代にしては珍しく正直両チームとも選手たちはかなり判定にストレスを感じていて、とくに京都側に出たイエローカードの1枚は抗議によるものだったと聞いています。
そんな中、0-0で折り返したハーフタイムの時点ですでにこのような余裕を見せていた新澤くん、やはりなかなかの強心臓なのかもしれません。

まだまだ選手全員について触れたいところですが、このままでは永遠にブログ記事をまとめあげられなさそうなので、このぐらいで。

 

前日の大宮U-18への勝利がホンモノなのかどうかはこの京都戦で試される──と思いながらの観戦でしたが、この強豪を相手にしても個人技とチームワークがよく噛み合い、おおむね自分たちのペースで試合を進める実力を見せてもらえたと思います。
大宮戦の勝利で得た手応えを、自信と成長の糧につなげる、そんな1試合になったのではないでしょうか。

 

この試合が終わった時点でともに1勝1分、得失点差も並ぶ京都と山口がグループDでは同率1位。しかし裏の試合で勝利した大宮U-18が勝点1差につけるため、ノックアウトステージに進出する2チームはグループステージ最終戦で決まることになりました。
次の相手はこの日すでに敗退の決まった新潟U-18ですが、こちらも当然プレミア経験がある強豪。正真正銘のチャレンジャーとしてのレノファはモチベーション面で有利とは推察しつつ、そのような試合で空回りせずにしっかりと戦えるかはレノファU-18が強者になっていくための最高の試金石です。

 

ここからはすべて写真のみです。
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