圧倒的に強い柏レイソルを相手に、レノファは1-4と見事で美しいまでの玉砕をしました。
J2首位快走。柏レイソルには「反則級」のFWが君臨する|Jリーグ他|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
攻撃スタイルを貫く山口はあくまで真っ向勝負で柏にぶつかり、あえなく玉砕した。個の力を見せつけられて4失点。その意味では無謀だったかもしれない。
それでもクリアに逃げず、パスをつなぎ、相手陣内に人数をかけて攻め込む機会も多かった。65分には左サイドを崩し、逆サイドから走り込んできた石田崚真が一矢を報いている。
結果こそ1−4の大敗だったが、高い志(こころざし)を備えて首位チームに挑んだ山口の戦いぶりは、称えられるべきだろう。
また、このようにさえ言われています。
(J2において)真っ向勝負で挑んでくる山口のようなチームは稀であり
この戦評がぼくの試合を見ての感想をまさに代弁しています。
このことこそがレノファ山口がレノファ山口であることの価値であり、ぼくたちがレノファ山口を応援する価値だと思っていて、その「価値の」具体的な正体は、レノファ番サポ?ジェイさん執筆のこの記事でよく説明されています。
「僕らは戦術的に戦う」 レノファ山口が世界水準を追い求める理由 | footballista
ぼく自身の言葉でも柏戦に関して印象をTwitterにまとめていました。試合直後まだ整理しきれていないですが。
奇しくも同じスコアだけど横浜FC戦よりダメージすくないかも。こっちが崩しきる場面は同じぐらい多かったし、やられ方も相手にパスしまくって自滅したというよりはやりたいことをやられた力負けって感じだったし
— 鯊 (@orange_sakana) August 10, 2019
日立台は「投げると危険だから」という理由で持ち込み禁止物が多いのだけど、レノサポは絶対にモノも投げないし、レノファの選手も絶対に試合を投げなかった。
— 鯊 (@orange_sakana) August 10, 2019
三幸はダイレクトパスの意識・幅を使う意識・潰されても粘る意識をおそらく意図的に普段より上げてたし、柏さん相手には(彼のポジションでは)そうするより他なかったので、それを空回りしようとも最後までチャレンジし続けてたのはグッときたhttps://t.co/mLUMNdtRUB
— 鯊 (@orange_sakana) August 10, 2019
少なくともぼくは、レノファ山口の戦いぶりには「できること・やってきたことを徹底的にやる」「結果は自分たちで引き寄せる・アクションを自分たちから起こす」「目の前の1勝と未来の躍進をともに追う」という強い決意を感じました。
ツイートした三幸選手の徹底したワンタッチや幅の意識もそうですし、サイドを起点に崩してニア・ファー問わず中に複数人で飛び込んで詰将棋のように仕留めようとする意識、自陣深くに引きこもってブロックするような守り方はせずまずは局面の個vs個で戦っていく意識、相手の強力FWにも体をぶつけて真正面から競っていく意識など、そしてそれらが何度やってもうまくいかなくても安易な選択肢に逃げない意識は、後ろで見ているサポーターにその「強い決意」を十分に説明できるほど伝わったと僕は感じました。
また、これについても触れておかなければいけません。
四失点目につながった大輔のダイブは、あれは状況を完全に理解した上で選択した普通に素晴らしい、責められるべきでないプレーだと思う
— 鯊 (@orange_sakana) August 10, 2019
動画の5分ちょうどからのシーンです。レイソル最終ラインからクリスティアーノへのロングボールへの高木大輔選手のダイブインターセプトが失敗し、広大なスペースを駆け抜かれ失点。
もしこのプレーが試合途中の時間もまだある0-0やせいぜい0-1ぐらいの状況だったら、完全に「戦犯」になるプレーです。弁解の余地はありません。「サッカーを知らない」と叩かれる運命です。
しかしこのシーンはすでに1-3のアディショナルタイム。リスクを負ってでも前にボールを運ばないと一矢報いる微かなチャンスさえ得られない。レノファはそうやっておめおめと一太刀さえ浴びられせずに負けていいチームではない。高木選手がこれら全てのことを完全に理解していたのは明確で、そのために瞬間的に「決意」したのがあのプレーだと思えてならないのです。
だからぼくはあのプレーには価値があり、レノファの「決意」がにじみ出たプレーだと思っています。
…
ともあれ、正直こうしてレノファが魂を揺さぶるような戦いをして心を動かされてはすぐまた次の試合で簡単に裏切られることばかりなのですが、それでも魅せてくれるものの片鱗があるだけサッカーファンとしては凄まじく幸せな部類に入ります。選手もクラブもまだゴツゴツした原石なだけで、一生懸命磨くか、磨ききれずに諦めて安売りするか、はたまた待ちきれずハンマーで叩いて丸ごと割ってしまうかは、ひとえにサポの忍耐(と観客動員)にかかっているところもあると思う次第です。
ということで写真ブログなのに頭からとうとうと語ってしまったので、ここからは淡々と写真を。
ぼくの住居から柏へは運良く乗り換え1回で1時間もかからずに行くことができます。
エスパルスの応援でも2回行ったことがあるので慣れたものです。
日立台入り口にたなびく「柏から世界へ」。
日立台のH/A分離はJリーグの中でも際立っていて、否応なく強烈なアウェイ感を感じることができます。
そしてそのアウェイ感あふれるゲートをくぐり、スタンドに上がると…!
とんでもない近さのピッチが目の前に。
ゴール裏の販売数は1600枚だそうです。昔このスタンドがホーム側だった時代には、このスタンドに2600人を詰め込んでいたこともあるそうですが、さすがに危険ということで減らして今に至るのだそうです。J1ビッグクラブなど人数が多い試合のときは2000枚発行するとかどうとか。
ちなみにこのレノファ戦での売れ行きとしては、前売り時点で300枚だったそうです(当日券の伸びもよかったそうなので、実際はもう少しいたと思います)。
メインスタンドもコンパクトでピッチに激近です。
レイソルのJ1制覇(2011年)にも貢献した、レノファ戦士の工藤壮人。
選手のウォームアップ登場が近づく頃には、柏熱地帯の向こう側に夕日が沈みとてもきれいなオレンジ色に!
レノファ太鼓隊&煽り隊のリン君。彼にとって地元凱旋ということでめっちゃ燃えていました。
後半キックオフ前の円陣。
試合後の青空ミーティング。
スマホの明かりをつけて勝利を祝うレイソルサポさん達。
日立台にはYABさんも来ていました!!
彼らがこの試合をどのように感じたかはもちろん僕にはわからないですが、きっとこの試合にレノファの選手がどのように挑み散っていったかを、彼らはちゃんと山口の皆さんに伝えてくれると思います。